甲南大学 経営学部 北居教授との「サステナブル中小企業論」第6回授業:学生による最終提案を実施しました
お知らせ
— 企業の魅力を磨き、課題を越えていくための“具体策”を描く —
これまでのインプットと対話を通じて、第6回授業では、学生たちが各担当企業に対し、「魅力をどう磨くか」「課題をどう乗り越え、さらに魅力的な企業になっていくか」という視点から、具体的な施策提案を行いました。
表層的なアイデアに留まらず、企業の構造や文化に踏み込んだ提案が数多く見られた回となりました。
第6回授業の位置づけ
「サステナブル中小企業論」は、経営学の理論と中小企業の実学を往復しながら、学生が社会を知り、働く意味を考え、自らのキャリア観を涵養していく実践型プログラムです。
第6回は、その集大成として、
- 経営者・社員へのヒアリング
- 中小企業の存在意義に関する議論
- 魅力や可能性の言語化
を踏まえ、学生自身の言葉で企業に向けた提案として結実させる回でした。
学生による最終提案:共通していた視点
各チームの提案には、次のような共通点が見られました。
- 課題を「不足」ではなく、可能性の裏返しとして捉えている
- 制度や仕組みだけでなく、人・関係性・文化に焦点を当てている
- すぐに実行できる“小さな一歩”と、中長期的な視点を両立している
学生たちは、「何を新しく足すか」以上に、
「すでにある魅力を、どう活かせるか」
という問いに向き合っていました。
本質的な課題に向き合った提案:事業部制という問い
中でも印象的だったのが、事業部制という組織構造そのものに向き合ったチームの提案です。
このチームは、
- 現場判断のスピードや専門性といった事業部制の強み
- 一方で生じやすい、情報の分断・属人化・育成の難しさといった構造的な課題
を丁寧に切り分けて整理しました。
すべてを統一するのではなく、
事業部制という強みを活かしたまま、最低限の仕組みで“知や判断を組織に残す”
という視点から、
- 考え方の軸を揃えるためのフォーマット設計
- 部署を越えた短時間の共有機会
- 暗黙知の棚卸しと可視化
など、段階的かつ現実的な施策が提案されました。
難易度の高いテーマでありながら、多くの組織に共通する問いとして普遍化された内容でした。
企業からのフィードバック
提案を受けた企業側からは、次のような声が寄せられました。
- 「自分たちの頭の中を整理してもらった感覚がある」
- 「現場の実感と、少し先の視点を行き来している提案だった」
- 「すでに取り組んでいることとも重なり、実行可能性を感じた」
- 「本質的で難しいテーマに、真正面から向き合ってくれたことが嬉しい」
学生の提案は、完成形として評価されるものではなく、
企業とともに考え続けるための“きっかけ”として受け止められていました。
学生たちの変化
第6回の発表を通じて、学生たちの立ち位置は
「分析する側」から、
自分たちらしい視点を大切にしながらも「企業と同じ目線で悩み、考える存在」へと変化していました。
課題を指摘するのではなく、
「どうすれば、より良くなれるか」を一緒に考える。
その姿勢こそが、本授業を通じて育まれてきた力です。
次回授業に向けて
次回は、学生たちが改めて各担当企業を訪問し、
第6回で提案した施策を「発表して終わり」にせず、実現に向けた第一歩として捉え直します。
自分たちの提案をどのように現場に落とし込み、どこから着手できるのか。
経営者や社員との対話を通じて、理想と現実の間にある問いに向き合いながら、提案を“構想”から“行動”へとつなげていきます。
おわりに
第6回授業は、学生にとっても企業にとっても、
答えを出す場ではなく、問いを共有する場となりました。
中小企業の魅力や可能性は、外から与えられるものではなく、
すでに内側に存在している。
学生たちは、そのことを丁寧に掘り起こし、言葉にし、未来へとつなごうとしています。
授業全体の位置づけ(前回レポートからの再掲)
サステナブル中小企業論は2022年にスタートし、今年で4年目を迎えました。
学生は以下を往復することで、健全なキャリア感・就労観を育んでいきます。
- 経営学(理論)
- 経営者からの実学
- 中小企業の存在意義




