強いチームは偶然では出来ない。【PLディスカッションレポート】
社内での取り組み
Diamond
こんにちは、入社5年目の岩藤です。
世界に0をONする会社(以降はC.T.Lと表記)は8つのグループ(部署)を持ち、多くのプロジェクトに取り組んでいます。
そして各プロジェクトには“リーダー”としてチームを牽引する社員がおり、日々さまざまな状況や課題に向き合いながら、それぞれの現場で工夫と想いを持ってチームを導いています。
ただ、現状では「他のリーダーがどんなことを考えて、どんな工夫をしているのか」を広く知る場というものはありませんでした。
結果として、素晴らしい実践が現場内にとどまってしまうことも少なくありません。
そこで、プロジェクトリーダー(以降はPLと表記)が集まる『PLディスカッション』を企画・開催しました。
日々チームを率いる中で感じている葛藤や工夫を持ち寄り、「なんとなくやっていること」を言語化する場です。
そしてPLを目指す若手社員にとっての道標にもなればと思います。
<今回のPLディスカッション>
今回は横浜社員で開催した、第4回目のディスカッションの様子をご紹介します。
今回は以下3つのテーマで議論しました。
- 入社1年目への教育方法、意識すること
- スケジュールのバッファを持たせる工夫
- チームを良くするために行いたい、緊急ではないが重要なこと
参加者は著者(岩藤)・Sさん(30代PL&マネージャー)・Nさん(30代PL)の3名。
スタイルの異なる3名だからこそ、本質が浮かび上がる議論となりました。
各テーマを、(1)PL向け共有 → (2)若手向け共有 → (3)著者視点の振り返り の順で紹介します。

テーマ①:入社1年目への教育方法、意識すること
<(1)PL向け>各リーダーの考え方
■ Sさん:日報は進捗管理ではなく「思考プロセスの可視化」
Sさんが最も強調していたのは、日報の重要性でした。
しかしそれは「提出物としての義務」ではありません。
- 今日何をやったのか
- どこまで進んだのか(可能な限り定量で)
- 明日何をするのか
- どこで止まったのか
これらを書かせることで、
- 作業の進捗把握
- 報連相の習慣化
- 思考プロセスの可視化
が分かることが、本来の目的と共有されました。
特に問題になるのは、
「何がわからないのかわからない」状態。
ここが見えない限り、教育は成立しないと考えていらっしゃいます。
日報は単なる報告ツールではなく、
“思考を外に出させる装置”
であるという考えが印象的でした。
■ Nさん:タイプを見極める、”やり切れた”という小さな成功体験を積ませる
Nさんは1年目のタイプを観察し適切な指導方法をすること、そして小さな成功体験を積ませることが重要と語ります。
そのため具体的には、
- 初めての業務は隣で様子を見る
- 明らかに詰まっていそうなら声をかける
- 「すぐ聞いていい」空気を作る
- “最後まで任せて、本人がやり切った”ことを褒める
ことを意識しているとのことでした。
ただし常に横にいるわけではない、
タイプによっては、丸投げした方が伸びる人もいる。
だからこそ「最初の見極め」が重要とのことでした。
教育は、
“一律ではなくタイプ別に教え方を調整し、”やり切れた”という小さな成功体験を積ませることが重要”
という視点が共有されました。
■ 著者:分からないことを言語化させる
著者からは、自分自身が1〜2年目の頃の失敗と取り組んだ経験を踏まえて、
分からないことを言語化させることが重要と共有しました。
- 何が分からないかを分からないことは危険
- 加えて、分からないまま分かったフリをすることは更に危険
この観点から、分からない単語リストを作ることを指示しています。
他のリーダーからは賛同と、
加えて「一般用語か現場固有用語かを分類することも重要」とコメントがありました。
それぞれで調べ方が変わってくるため、大事な観点です。
“どこまで理解出来ているかによって教えるレベル・粒度が変わるため、分からないことを言語化させることが重要”
という気づきが共有されました。
■ 振り返り
- 若手の思考プロセスを知り、指導者からは思考プロセスを教える
- 教える頻度や温度感は、若手のタイプを見て判断
- 成功体験を意図的に作ることが重要
- 分からないことの言語化を促す
■ その他に共有された気づき
- 教え方の「型」は結局、自分が育った「型」がベースになる
- 教える際に重要なのは「情報量」と「タイミング」
- 成長タイプは大きく2つ
- メモを書きまくる愛され型(伸ばしやすい)
- メモを書かずに抱え込むリスク型(要注意)

<(2)若手向け>PLが本当に見ていること
PLは、完璧さを求めていません。
見ているのは主に次の3点です。
✔ ① 分からないことを言語化できるか
曖昧なまま止まるのではなく、
- どこまで理解しているのか
- どこが曖昧なのか
- 何を調べたのか
といった思考プロセスを言葉にできる人は、伸びると思います。
✔ ② 途中で進捗報告できるか
完成報告より、進捗報告の方が価値があります。
早い報告・共有は、以下のメリットがあります。
- 軌道修正が可能
- 手戻りを防げる
- 信用が積み上がる
✔ ③ 抱え込まないか
失敗よりも怖いのは、期限直前まで沈黙すること。
上司にとって状況が見えないことが、一番のリスクです。
相談はマイナス評価ではありません。
むしろ早い相談はプラスです。

<(3)著者の振り返り>教育は”我慢”と“長期的な計画”
私が教育する側になって実感したことは、『もどかしさ』でした。
「作業を説明・指示したにも関わらず、進捗報告も無ければ相談もない。どこまで進んでいるか分からない」
こんな風に感じてしまったことがあります。
PLディスカッション内でこのことを共有すると、「1年目相手に急ぎすぎ」との指摘が。
一度言われただけで出来るようになる人は居ません。じっくりと長い目で見て、我慢が必要でした。
「育成には段階があるよ、3ヵ年程度で考えると良いよ」こんなフィードバックを頂き、以下のようなイメージで計画例を提示頂きました。
- 1年目:仕事に慣れる、報連相の習慣
- 2年目:1人で作業させる
- 3年目:本人なりに応用させる
急ぎ過ぎたことは反省し、今後は求める基準を決めて、他のリーダーの方のノウハウを参考にしながら教育の型を作って行こうと思います。

テーマ②:
スケジュールのバッファを持たせる工夫
<(1)PL向け>バッファは“精神論”ではなく“設計”
■ Sさん:内部締切を先に置く
印象的だったのは、
- 本番締切より前に自分締切を置く
- 1ヶ月作業なら半分で終える想定
- 常にリカバリ期間を前提にする
という前倒し設計。
「うまくいけば余裕ができる」ではなく、
「どこかで遅れが起きてもリカバリ出来る前提」で設計する。
これがバッファの本質という議論になりました。
■ Nさん:人に仕事を振る際、自分自身でリカバリ可能か逆算して期限を決める
Nさんが作業を振る際は、
間に合わないケースを想定し、自分でリカバリ出来る日を逆算して、人に振る際の作業期限を設定する
と語ります。
最終的にリーダーである自分が責任を持つという考えの基で、
チーム内でも早めの期限設定でタスクを振っているとのことでした。
■ 共通:ボールを持たない原則
全リーダーで共通していたのは、自チームでボール(タスク)を持たないこと。
- QAはすぐ出す
- 他部署依頼は返事が遅れる前提で、即時に相手に投げる
- 自チーム範囲にボールを溜めない
という姿勢。
ボールを持ちすぎて思考が遅くなる時間こそ、最大のロスです。
■ 振り返り
- 遅れる前提で、内部締切を早めに設定
- 作業を振る際は自分でリカバリ出来る日を、振る相手に提示する作業期限にする
- ボール(タスク)を持たない、すぐ人に渡す。
■ その他に共有された気づき
- 「自分がやった方が早い」は長期的には遅い
- バッファは時間ではなく構造で作る
- チームで回る設計を優先する

<(2)若手向け>PLが求めている動き
✔ ① 提出物は未完成の状態で、一回早めに出す
金曜に顧客提出する資料を、金曜に仕上げて上司に提出してませんか?
上司がレビューする時間、考慮してますか?
早い提出=修正可能
遅い提出=修正不可
未完成で良い。自信が無くて良い。
方針が間違っていたら手戻りが大きいため、まずは一回早めに出しましょう。
✔ ② 外部ボールは即投げる
外部からのボールが来ないことで困るのは、結局自分たちのチームです。
先を見越して、早くボールを投げましょう。
✔ ③ 遅れそうなら即共有
ギリギリ報告は最も困るパターン。
上司だって金曜日は早く帰りたい。
早い共有は信頼につながります。

<(3)著者の振り返り>リーダーの仕事は、ハブ(情報の交通整理役)
著者の反省として、ボールを持ち過ぎて自分がボトルネックになっていたことがありました。
とあるプロジェクトで、問い合わせ数が急増して窓口がパンク。
元々の私の役割は問い合わせ窓口要員の方を教育してユーザー対応してもらうこと、そしてプロジェクト推進のための方針検討などでした。
私がパンクした窓口を改善するために取ってしまった行動が、自分も作業者の1人になって問い合わせた件数を捌くこと。
つまり、『ユーザー問い合わせ対応 + 問い合わせのナレッジ資料作成 + 今後の方針検討』
このすべてを、PLである自分が行なったのです。
その結果、チームメンバーが不明点を私に質問したくても、私が問い合わせ電話中のため聞けない、そんなことまで発生してしまいます。
私自身が詰まりの中心になってしまい、構造的に無理な状態を自ら作っていました。
Sさんからも「そんな作業量、誰でも出来ない。問い合わせ対応は君の仕事じゃない。」
ここで見つかった考え方が、
“リーダーは作業者ではなく、チームのハブ(情報の交通整理役)”
ハブになり、チームが回る構造を作ろうと覚悟が決まった。そんな学びでした。

テーマ③:
チームを良くするために行いたい、
緊急ではないが重要なこと
<(1)PL向け>未来への投資を止めない
日々の対応に追われると、
- ナレッジ整理
- 判断根拠の記録
- 仕組み改善
が後回しになります。
しかし議論で出たのは、
ここを止めるとチームは強くならない
という共通認識でした。
妄想で構わないので、やってみたいことを皆さんに挙げて頂きました。
■ リーダーの交代
「リーダーが変わらないPJは、果たして成長出来ているのか?」
そんな話題が上がりました。リーダーが変わらない現場とはつまり、
物事を判断している人が変わっていません。
判断出来る新しい人が誕生していません。
そういった観点で、次のリーダーを生み出すことがチームを良くすることではないかといった発言がありました。
■ 根拠や思考プロセスを残す
成果物だけ残しても、育成においては足りていないと思います。
- なぜその判断をしたのか、という設計根拠やプロセスを残すこと
- 思考プロセスを共有
上記によって、後任者が判断出来る状態を作ることが出来ます。
■ メンバーの自律と、仕事が回る設計作り(リーダー不在でも回る状態)
リーダーが休暇を取ると、突然チームが回らなくなる状態。
それって健全でしょうか。
- メンバーに裁量権を与え、自分で判断して良い範囲と判断基準をレクチャー
- リーダー不在時の相談先も事前に提示
- 誰が推進しても品質維持されるための、判断の観点を共有
理想論かもしれませんが、
プロジェクトが回るチームは一強のリーダーではなく、一人一人の自律と仕事が回る設計作り
が出来るチームだと思います。
■ 振り返り
- リーダーの交代
- 根拠や思考プロセスを残す
- メンバーの自律と、仕事が回る設計作り(リーダー不在でも回る状態)
■ その他に共有された気づき
- 各メンバーが持つナレッジの可視化
- 俗人化の排除
- 強いチームは偶然できない
- 未来に投資する時間を確保するのもPLの仕事
- 再現性を作ることが大切

<(2)若手向け>チームを良くするために若手に期待すること
✔ ① 判断理由や根拠を考える
なるべく早く、「脱・人に言われたからやる」をしましょう。
判断理由や根拠を人に依存していては、作業が早くなっていても仕事は成長しません。
「なぜその仕事をするのか」「どう判断すべきか」を考える習慣が、
2年目以降の成長角度に効いてきます。
すると上司や先輩への”質問の質”が
「すみません、分かりません」から、
「私は○○だと考えたのですが、他に意識するべき観点はありますか?」へと、
大きな成長が出来るでしょう。
そうなれば、リーダーにとって貴方は貴重な戦力になります。
✔ ② 調べ方・観点を覚える
最初は知らない言葉ばかりで、大変だと思います。
ここで大事なのは調べた結果・答えだけではなく、調べ方・観点です。
- どのサイトやキーワードで調べたのか
- どう調べると欲しい情報が見つかるのか
が重要です。単発ではなく、再現出来るようになります。
すると「調べるのが楽!」、そう思えるはずです。
✔ ③ チーム視点を持つ
自分のタスクを進められるようになったら、
次は隣の席の方のタスクも視野に入れてみてください。
- どこが詰まっているか
- 誰が困っていそうか
を見ることで、視野が広がり、視座が上がります。

<(3)著者の振り返り>まずは妄想から
今回は『妄想で良いので、アイデア聞かせてください!』という前提でスタートしました。
すると、とっても面白いアイデアがいくつも出てきました。
特に「チームを良くするためには、リーダーを交代する」は、目から鱗でした。
次のリーダーを生み出すために何が出来るのか、考えて行きたいと思います。
実現するには時間も労力もかかりますが、まずは妄想しないと始まらないと思っています。
ぜひ、他のリーダーの方のアイデアも聞いてみたいです。

総括
3つのテーマを通して見えたのは、
- 思考プロセスの共有
- 分からないことや考え方の言語化
- リーダーとメンバーの役割の違い
- リーダー以外にも観点を共有
という共通軸。
教育も、スケジュール設計も、チームづくりも、
すべては設計・構造の話でした。
PLは設計・構造を作り、整える人。
メンバーはその構造の中で、具体的な中身を作る人。
この両輪が回ることで、
チームは着実に強くなると思います。
私がPLを経験したのはまだ2年間のみ。
まだまだ未熟で、理想論も多いです。
ですが炎上案件での失敗などの現場経験、のべ4回のPLディスカッションでの他リーダーの考え方を吸収、別途開催しているベテランから仕事感などをインタビューする取り組みを通して、仕事が回る設計・構造を作ろうと感じています。
これが私個人としては、入社5年目年度末の現在地と言えます。まだまだ模索中です。
今後もPLディスカッションを継続して様々なリーダーの意見を吸収し、
現場知を言語化・共有していきます。
最後までご拝読、ありがとうございました。
Diamond
若手がやりたいと言ったことをやらせてもらえる、そんな会社です。
仕事はもちろん、部活動や社員インタビューもやってます。



