中小企業のDX その3(変わる覚悟)

DX中小企業のDX

PRESIDENT

こんにちは、いらぶちゃーです。
中小企業のDX、今回は第3回です。
前回から時間がかかりました。
申し訳ございません。
あれからたくさんインプットをしたんですが
ちょっと情報過多になってしまって
私の中でうまく整理が進みませんでした。
ようやく現時点で語れることが
それなりの説得力をもって書けそうでしたので
このタイミングでのリリースとなります。
第1回は「効率からの脱却」
第2回は「創造的破壊」
そんな流れで書いてきました。

https://wwwtest.kkctl.co.jp/archives/1017
https://wwwtest.kkctl.co.jp/archives/1028

今回はDXのアンチパターン、
すなわち「それDXじゃねーし!」
というケースを紹介することで
DXって何?
というマウント気味の「ちょっと憎たらしい問い」
これに対する向き合い方を
一つ提示してみたいと思います。
中小企業のDXシリーズ、なんとなくですが、
今回もしくは次回くらいが最終回かもしれない。
そんな気がするなと思いながら書いてます。
(決まってないんかい!!)
でもでもダラダラと続けるかもしれません。
(どっちやねん!!)

変容と成長

とその前に、
「変容」という言葉についても言及しておきたいと思います。
「変容」って何だ
DXは「効率からの脱却」
そして「創造的破壊」が必要だと書いてきたわけですが
そのそもDXの核となる「変容」って何なのでしょう。
辞書を引いても
姿・様子を変えること。
姿・様子が変わること。
という感じで、
変容って何だ?と悩める者にとっては
正直取り付く島もない、堂々巡りです。
なので、ここは自ら熟慮することが求められます。
今、「変容」についてはビジネス用語のDX文脈で語っていますので
変容は成長とほぼ同義と捉えて良いと考えます。
でも成長という言葉にはたくさんの意味を内包する便利さと包含力があります。
なので、ほぼ同義ではありますが、変容=成長とはならない。
このあたりの理解がキモだと思うので
成長と変容の違いについて考えてみたいと思います。
ザリガニは脱皮を繰り返して大きくなりますが、
これって成長でしょうか?変容でしょうか?
成長ではあるけれども、変容ではない。
大きくなったけれど、既定路線のサイズ拡張で
姿や様子が変わったのかというとそうではない。
というのが私の解釈です。
これはまあ簡単ですよね。
話を分かりやすくするために幼稚な例をあえて書いています。

話をビジネスに戻します。
お寿司屋さんが出前を開始して
お店に来ない方にもお寿司を届けるようになった。
これは成長ですね。
お寿司は人が握るという概念を覆して
機械化した回転寿司というサービスを提供。
これは変容っぽいです。
レンタルビデオや書店が
オンラインでも視聴・購入できるようにした。
これは成長ですね。
店舗を持たずして書籍のみならずあらゆる日用品までを
網羅的にオンラインで販売するようになった。
これは変容っぽいです。

変容とイノベーション

お寿司とEC、2つほど例を上げてみました。
業態として見ると「あの時から考えると確かに変わったよね」
という印象を受けると思います。
そして同時に、「でも、同時にプレイヤーも変わったな」
と気づくのではないでしょうか。
お寿司屋さんと回転寿司はもはや全く別の業態ですし
回転寿司の登場によって淘汰されたお寿司屋さんも少なくないと思います。
ECは言わずもがな、Amazonの台頭は圧倒的な破壊力でした。
レンタルビデオショップや書店だけでなく
ほとんどの小売業が今現在も飲み込まれつつあります。
これは逆説的に、変容とは既存事業の常識や今までのやり方
そういった成功パターンから逸脱しなければなし得ないこと
それをなせる変容的プレイヤーが登場すると
社会(業界)においてはイノベーションが実現する。
という風に理解することができます。

さらに抽象的に解釈をすると
その事業の「根本」や「コア」を疑い
あらためてそれを再構築、再定義しなければ
変容は起こせないということです。

DXのアンチパターン

これらを踏まえて、DXのアンチパターンを見てみたいと思います。
コロナ禍になって久しいですが
人々の接触機会を避けようということでITが活躍しましたね。
Zoomを代表するオンライン会議のサービスが一気にRisingしました。
学校教育でも大活躍、授業をオンライン化することで
生徒たちの学びの機会を奪わずに感染防止も実現したわけです。
で、人によってはこれを声高に言います。
「教育もタブレットやパソコンの導入でDX化を進めた」
「そのおかげでコロナに対応できた」と
いやいやいや、ちゃんちゃらおかしいです!
それは単なるIT化であってDXではありません。
これらの施策は学校教育の「根本」や「コア」を疑い
あらためて再構築、再定義した結果ではないからです。
もし、これらがなされていれば
今、学校教育で求められることは何か?
そんな議論が徹底的にされているはずです。
オンラインで授業ができるなら
不登校児やいじめの解決策の一助になるのでは?
授業についていけな子に対して個別の授業が提供できるかもしれない?
そもそも、本当にみんなが集まって授業を受ける必要ってある?
というような対話の末に、学校の在り方を再定義すれば
教育の変容が胎動し、DXが実現するのです。
これだけ社会が激変している中で
学校教育という世界は私が子供のころ(1980年代)からほとんど変わっていません。
変容なんてどこ吹く風です。
ここまで書くと更に学び(気づき)があります。
学校教育には文科省を始めとする様々なステークホルダーがうごめいていると想像します。
過去の成功体験という呪縛、それに群がる利権、
それらと対峙し失敗することに対する恐れ、
なんだか目を背けたくなるようなことが多そうですが
ここにメスを入れることができれば変容なのでしょうね。

過去からの呪縛や利権、そこにメスを入れれたらDX

これは一つの尺度になりそうです。
我々の業界もよく間違います。
クラウドでDXを実現しましょう!
RPAでDXを実現しましょう!
恥ずかしいくらいバカです。
ホントすみません。
何の代わりにもなりませんが
勝手に代表して謝罪します。
上記のような提案は全部断りましょう!

DXとは

いやはやなんとも、DXとはかくも難しいものでしょうか。
尺度になりそうだと思うことを2つ書きましたが
ほとんどの企業がやりたくないこと、もしくはできないことだと感じます。

  • 事業の「根本」や「コア」を疑い、あらためてそれを再構築、再定義する
  • 過去からの呪縛や利権、そこにメスを入れれたらDX

これがDXですと説明されたらどう思いますか?
経営者の方はどうでしょう?
そうじゃない方は経営者のつもりになってどうでしょうか?

相当な覚悟が必要ですよね。
そして、これは外部事業者では実現できませんよね。
変わるのは当事者、その企業や組織、業界自身なのです。
我々ができることは変容(DX)のサポートなのです。
だから、基本的に「面倒くさいことしか言いません」
DX、その前に、
必要なのは「あなたの変わる覚悟」です。

私たちはそんなDXを支援しています。

PRESIDENT

鳥になって空高く舞い上がり、人よりも広く(鳥瞰)、遠く(未来)を見ること。たぶんこれが私の仕事です。そこで見えたものをしっかりと咀嚼(理解、納得)し、自社に活かせるものだけを見出すことを心がけています。日々の利益や売上について、私は細かくウォッチしていません。当社には優秀なマネージャーがたくさんいますので、経済厚生の観点で私がそこに注力する必要はないと思っています。それに、鳥になって見ればそういうこともちゃんと見えたりします。ということで私の仕事は「鳥になる」、「鳥人」です。ww